背景

SBIグループが運営する2つの仮想通貨取引所「VCTRADE」「Dgital Asset Exchange」の違いについて紹介します。

Digital Asset Exchange(デジタル アセット エクスチェンジ)はまだ名称が決定していないので(仮称)となっています。

どちらの取引所もSBIグループの会社ですが、それぞれ違う目的があるためSBIは2つの取引所を開設しています。今回はそれぞれがどのような目的を持って作られたのかを紹介していきます。

おすすめ記事

VCTRADEとDigital Asset Exchangeを比較

VCTRADE Digital Asset Exchange
SBIホールディングス 親会社 SBIホールディングス
日本 事業拠点 香港
ビットコイン
ビットコインキャッシュ
リップル
取扱通貨 ビットコイン
イーサリアム
リップル
ネム
ライトコイン
日本語 対応言語 英語・日本語(予定)
必要 日本の金融庁許可
(仮想通貨交換業者登録)
必要なし

 

VCTRADEとDigital Asset Exchange(以下:DAE)の大きな違いは事業拠点をどこに置いているかです。VCTRADEは日本に拠点を置き、DAEは香港に拠点を置いています。

それぞれの拠点を分けた理由として、VCTRADEは日本向け、DAEは海外向けの取引所として設立されました。

日本で仮想通貨取引所を運営すると日本の仮想通貨法に従う必要がありますが、海外だとそれは適用されません。そのため、DAEではホワイトリストに記載されている通貨以外も取り扱うことができます。

DAEは様々な通貨を取り扱うことができる

現在日本では「ホワイトリスト」に記載されている仮想通貨以外を取扱と「仮想通貨交換業者登録」を受けられないのが現状です。

ホワイトリスト記載通貨一覧

全17種類

  • ビットコイン
  • ビットコインキャッシュ
  • リップル
  • ライトコイン
  • イーサリアム
  • モナコイン
  • ネム
  • フィスココイン
  • ネクスコイン
  • カイカコイン
  • カウンターパーティ
  • ザイフトークン
  • ビットクリスタル
  • ストレージコインエックス
  • ペペキャッシュ
  • ゼン
  • キャッシュ

参考:coinpost

ホワイトリスト以外の仮想通貨を取扱っていると金融庁から正式な交換業者ではなく「みなし業者」として見られることになります。コインチェックはオーガーやジーキャッシュなどホワイトリスト以外の仮想通貨も多く取り扱っていたため「みなし業者」となっています。

VCTRADEは金融庁に登録済み

VCTRADEは2017年9月に「仮想通貨交換業者登録」されているので、ホワイトリスト以外の仮想通貨を取り扱うと登録が取り下げられる可能性があるため、ホワイトリスト以外の仮想通貨の導入は無いものと思われます。

参考:仮想通貨交換業者登録一覧

その点、DAEは香港に拠点を持っているので日本の仮想通貨交換業者登録を受けられない(受ける必要が無い)ので、ホワイトリスト以外の仮想通貨をいくらでも取り扱うことができます。

日本の取引所を見てみると取扱通貨数の多い取引所でも10~20種類ですが、海外取引所の「Poloniex」「Binance」などでは100~200種類以上の仮想通貨を取扱っています。そのためDAEも数多くの仮想通貨を取扱うことが予測されています。

開設初期はメジャーな通貨のみの可能性もありますが、徐々に取扱通貨数を増やすことは間違いないでしょう。

DAEは日本人でも取引できる?

DAEは海外向けの仮想通貨取引所と紹介しましたが、日本人でもDAEで取引(利用)することができます。

  • VCTRADE=日本
  • Digital Asset Exchange=全世界

VCTRADEは日本在住者向けの取引所なので、対応言語が日本語で入出金なども日本円が中心です。

海外在住者が取引しようとすると本人確認書類が提出できない・ドルの入金手数料が高い・外国語サポートが無いなどの弊害が発生します。そのため、海外在住者(外国人)が利用するには適さない環境です。

DAEは世界中の誰もが利用しやすい環境を作るので、対応言語も複数導入されるでしょう。日本人でも利用できるし、アメリカやヨーロッパなど海外在住でも利用できる取引所になります。

セキュリティはVCTRADE

取扱通貨数が多く多言語にも対応しているならVCTRADEよりDAEの方が利用しやすいように感じます。

しかし、取扱通貨数が多いとその分ハッキングを受ける可能性が高くなります。仮想通貨によって特徴が異なるので、盗みやすい通貨と簡単には盗めない通貨があります。取扱通貨数が多ければセキュリティの低い通貨も取り扱うことになるので、その分盗まれる可能性も高くなってしまいます。

DAEは自由な仮想通貨取引所

VCTRADEは金融庁の登録を行っているので資産管理やセキュリティの強化、補填体制が整っていますが、DAEは国の規制が全く介入しないので、万が一資産が流出したとしても補填してもらえない可能性があります。

言わばDAEは自分たちの自由に仮想通貨取引所を運営できる状態です。どのように営業しても誰にも何も言われることはありません。

しかし、好き勝手にしていると顧客も付かないので、基本的なセキュリティ対策は行ったうえで運営するのは間違いないですが、万が一の事態が起こった際の判断は全て自社で行うこととなります。

その点VCTRADEは金融庁の監視の目があるので、コインチェックのNEM流出事件の際の動きでも分かるように、ハッキングを受けた際は金融庁の立入検査が行われ、顧客への流出分補填もほぼほぼ行われると思われます。

結局どちらの取引所が良いのか

それぞれの取引所の特徴をまとめます。

VCTRADEの特徴

メリット

  • 金融庁の許可を得ているので安心
  • セキュリティが強固
  • 日本向けなので利用しやすい

デメリット

  • 取扱通貨数が少ない
  • 海外在住者が利用しづらい
Digita Asset Exchangeの特徴

メリット

  • 取扱通貨数が多い
  • 様々な国から利用できる

デメリット

  • 取扱通貨数が多くハッキングの可能性がある
  • 補填体制が不明瞭

どちらの仮想通貨取引所にも良い点と悪い点があるので、絶対にこちらの方が良いということはありません。

それぞれのメリットとデメリットを把握した上で、あなたの利用目的・方針などの考えに合っている取引所を選びましょう。もちろん理解した上で両方を使って取引するのもアリです。

まとめ

VCTRADEは日本向け、Digital Asset Exchange(DAE)は海外向けにはなっていますが、それぞれの特徴をきちんと把握したうえで利用することが重要です。

日本向けだからとVCTRADEしか利用していないと、DAEで購入できる通貨を見逃してしまうこともあります。

そのため、利用する目的に合った取引所選定を行いましょう。

目的ごとにどちらの取引所が合っているか紹介しておきます。

VCTRADEが合っている人
  • セキュリティや補填体制が整った取引所で安心して取引を行いたい
  • サポートにしっかりと説明を受けたい
  • ビットコインやリップルなど有名な通貨だけを買いたい

このような考え(目的)の人はVCTRADEがおすすめです。

Digital Asset Exchange(DAE)が合っている人
  • メジャーな仮想通貨だけでなく数多くの通貨の中から選んで取引したい
  • 日本語以外の表示で取引したい
  • 外国語のサポートを受けたい

このような考え(目的)の人にはDAEがおすすめです。

自分が仮想通貨取引所を利用する目的は何なのかを把握してから取引所を利用しましょう。

おすすめ記事

Twitterでフォローしよう