仮想通貨イーサリアム(ETH)の特徴について紹介します。
イーサリアムは日本でも多くの取引所が取り扱っている知名度・人気共に高い仮想通貨です。
イーサリアムはプラットフォームとしても有能で、イーサリアムを元にした仮想通貨が数多く作り出されています。
そんなイーサリアムの歴史や仕組み、購入方法などを詳しく紹介します。
目次
イーサリアム基本情報
プラットフォーム名 | Ethereum (イーサリアム) |
発行日 | 2015/7 |
創業者 | ヴィタリック・ブテリン |
通貨単位 | ether(イーサ) ※略してETH |
発行枚数 | 97,361,466ETH |
発行上限 | 無し |
公式サイト | https://www.ethereum.org/ |
https://twitter.com/ethereumproject | |
購入できる取引所 | 国内:ビットフライヤー ザイフ GMOコイン DMMビットコイン等 国外:Binance bittrex |
時価総額 | 約9兆2575億円 第2位(2018/2/2現在) |
イーサリアムは2015年リリースされてから2年半で流通量は9736万枚で世界で2番目です。
時価総額ではビットコインに敵いませんが、通貨自体の取引量はビットコインの倍以上です。
通貨のことを「イーサリアム」と呼ぶことが多いですが、厳密にいうとイーサリアムはプラットフォーム(システムの土台)の名前で、通貨単位は「ETH(イーサ)」です。
日本で言う「円」はイーサリアムではなく「イーサ」になります。
イーサリアムのシステムは多くのICO(円やドルではなく仮想通貨で資金を集めるクラウドファンディングのようなもの)に利用されています。
イーサリアム自体もICOを使って資金を集めた仮想通貨の一つです。
資金は円やドルではなく「ビットコイン」で「イーサ」を買ってもらうことで集めました。
イーサリアムの歴史
2013年 | ヴィタリック・ブテリン氏がイーサリアムの概要をWEBに公開 |
2014年 | ICOで資金を募る。1イーサ0.008ビットコインで販売し、16億円もの資金を集めることに成功 |
2015年 | イーサリアムを本格リリース 1回目のアップデート(フロンティア) |
2016年3月 | ビットフライヤーに上場 2回目のアップデート(ホームステッド) |
2016年6月 | THEDAOハッキング事件 イーサリアムとイーサリアムクラシックにハードフォーク |
2017年2月 | EEA(エンタープライズ イーサリアム アライアンス)発足 |
2017年5月 | EEAにトヨタ、三菱東京UFJ銀行、サムスンなど6社が参加 |
引用:Cryptocurrency Market Capitalizations
イーサリアムの仕組み
スマートコントラクト
スマートコントラクトとは、第三者を介すことなくブロックチェーンに取引情報だけではなく契約内容も記録し、その契約条件が満たされれば契約が自動的に実行される仕組みのことです。
分かりやすく説明すると、取引を記録するノートのようなもの(ブロックチェーン)にコインやお金が移動した情報に加え、その時に結んだ約束事も記録されます。
またその契約は仲介してくれる業者や人を挟まず、本人同士で直接結べます。
例えるならば、今までは
「A君からB君に10万円貸しました」
という情報しかブロックチェーンに記録されていませんでした。
しかし、このスマートコントラクト技術を使うことによって、貸した額に加えて利息をつける契約を結ぶことができます。
「A君からB君に10万円貸しました。10日後までに10万円返さなければ、利息として5万円プラス(契約)で支払わなければいけません」
と記録されるのです。
10日後B君からA君に10万円が返済されない場合は自動的に契約(利息5万円の支払い)が実行されます。
今までのような口約束ではなく、しっかりと「契約情報」として記録されるので、後になって利息が増えたり返済の期間を勝手に伸ばすこと(不正)を最小限にできます。
またこの契約は本人同士でやり取りしているので、仲介している業者や人に契約内容を書き換えられること(改ざん)を無くし、手数料も従来より安く余計な手間も日数もかかりません。
スマートコントラクトは自動販売機を例にして例えられることがあります。
この場合、自動販売機の中には人(第三者)が居るわけではなく、いくつかの決められた条件(契約)を満たすことで自動的にジュースが出てきます。(実行)
スマートコントラクト技術をまとめると
- 取引内容に加えて契約情報も記録できる
- 契約の記録は自動的に実行される
- 第三者を挟まないので余計な手数料や日数がかからない
スマートコントラクトが将来日常敵に利用されることになれば、人件費などの削減が期待できます。
プルーフオブワーク
マイニングという承認作業を行うことで報酬が貰えるという一連の流れがプルーフオブワークです。
現在、多くの仮想通貨でこのプルーフオブワークが使われています。
当サイトでもプルーフオブワークについて詳しく解説しているのでそちらをご覧ください。
参考:プルーフオブワークとは
開発言語にはSolidityを使用
Solidityはイーサリアムで使用されている特別なプログラミング言語のことです。
プログラミング言語とは、難しそうな英語が羅列したもの。
config": {
"chainId": 15
"eip155Block": 0,
"eip158Block": 0},
"difficulty": "0",
このようなものを見たことがありませんか?
ここに書いたプログラミング言語はありもしない適当な例ですが、イーサリアムにはイーサリアム「独自」の言語が使われています。
EEA
EEAは「エンタープライズ イーサリアム アライアンス」の略称です。2017年2月に発足しました。
簡単に言うとEEAはイーサリアムを応援し、情報や機能を共有している会社の集まりです。
日本ではトヨタやUFJ銀行。インテルやサムスン・マイクロソフトなど大手のグループを含む500社以上がイーサリアムの将来を期待して加盟しています。
イーサリアムのバックは非常に心強いのです!
イーサリアムのアップデート
イーサリアムは発行されてから4回のアップデートが予定されており、そのうちの2回はもうすでに終わっています。今は3回目の途中段階。アップデート完了は2018年中の予定です。
このアップデートをすべて終えると、イーサリアムは完全体になるとされています。
4回のアップデートはそれぞれに名前がついています。
- フロンティア
- ホームステッド
- メトロポリス
- セレニティ
それぞれのアップデートで行われたことを簡単に説明すると
◎フロンティア 2015/7
イーサリアムの基本的な機能を公開。
その上で起こったバグなどを優秀な開発者たちが修正し、より良いものに近づく。
◎ホームステッド 2016/3
手数料の引き上げや、マイニングの難易度の調整。
◎メトロポリス (現在進行中)
セキュリティの強化、プルーフオブワークからプルーフオブステークスへの変更、匿名性を高める。
◎セレニティ
アップデート内容がどんなものなのか詳細は未定。このアップデートが終わったころにはイーサリアムは完全体になり、安全で誰もが使いやすいものになっていることでしょう。
イーサリアムとICO
ICOとはの(Initial Coin Offering)略で仮想通貨を使って開発費などの資金を集める方法です。
現代でいうとクラウドファンディングに似ていますが、円やドルではなく仮想通貨を使って集める点や、管理者がいなくても資金を集められる点がクラウドファンディングとは異なります。
クラウドファンディングで資金を集めるには、資金を集めたい人と応援したい人はサイトを中心に繋がっています。応援したい人がサイトにインターネットを通して送金し、サイトが受け取り、資金を集めている人たちに振り込まれる仕組みです。
しかし、イーサリアムのスマートコントラクト技術を使えば中心となるサイトを挟まなくとも、条件を満たせば自動的に契約が実行されます。
そのため、中心に挟んでいるサイトが条件を満たしているかの確認や、集めた資金の管理をする必要はなくなります。
無駄な第三者(サイト等)を挟まない手間も手数料も格段に抑えられるわけです。
そのためICOにはイーサリアムの技術が広く使用されています。
イーサリアムとイーサリアムクラシックの関係性
2016年6月、イーサリアムは52億円ものハッキング被害に遭いました。
その事件は「THE DAOハッキング事件」と呼ばれており、仮想通貨界に非常に大きな衝撃を与えました。この事件をきっかけに誕生したのがイーサリアムクラシックです。
参考:THE DAOハッキング事件とは
今まではイーサリアムという1本のブロックチェーンに情報を書き繋いでいましたが、ハッキング被害に遭ったことを無かったことにしたイーサリアムと、ハッキング被害に遭ってしまったという記録の残るイーサリアムクラシックにハードフォークしたのです。
イーサリアムはイーサリアムとイーサリアムクラシックの全く別物の2つに枝分かれしました。
イーサリアムの将来性は?
スマートコントラクト技術は今までにない革新的なもので、私たちの生活をより良く豊かにするものだと考えられます。
仮想通貨界では「イーサリアムといえば”スマートコントラクト”」と言われるように、イーサリアムはスマートコントラクトの生みの親であり、仮想通貨界だけではなく音楽業界や金融業界などもこのスマートコントラクト技術に注目しています。
また、先ほども少し話題に出したICOですが、ICOはイーサリアムをベースに簡単に始めることができるので、今とても増えています。
イーサリアムを使用したICOが増えるということは、イーサリアムが広く浸透し使われていき、イーサがたくさん買われて価値が高まることを意味します。
多くの企業がイーサリアムの可能性に期待しEEAへの加盟企業は増え続けていますが、イーサリアムはまだ開発途中です。
今後も私たちをあっと驚かせてくれる通貨だと私は信じています。
イーサリアムの特徴:まとめ
イーサリアムをまとめると以下のような項目になります。
- 通貨の取引量はビットコインよりも多い
- スマートコントラクト機能を使用しているので多くの情報を記録することができる
- 2016年にハードフォークしている
- EEAというイーサリアムを支援している集まりがあり、そこにはMicrosoftなど有名企業が数多く属している
- 今後もアップデートが予定されている
- 通貨発行限度枚数は決まっていない
- ICOの土台として多く利用されている
イーサリアムは、書き込める情報の多さや利用のしやすさから多く普及していくことが予想されます。
時価総額も一時期はリップルに抜かされていましたが今ではビットコインに次いで第2位です。
今後も注目の通貨です。
イーサリアムが購入できる取引所
イーサリアムは、多くの取引所で取り扱っているのでどこでも購入できます。
その中でも、セキュリティ面やサービス面などを考慮したオススメの取引所は以下の3つです。
GMOコイン
Liquid(リキッド)
どの取引所でもイーサリアムを購入できます。